労災事故につながるヒヤリハットを減らす|作業現場の安全を確保
以前、物流ブログで紹介した「倉庫内での安全管理」でも述べた通り、
令和5年(2023年)の厚生労働省の公表によると、令和4年(2022年)の労働災害による死亡者数は774人と前年と比べ4人減となっているのに対し、休業4日以上の死傷者数は13万2355人と、前年の13万586人より1.4%増加しています。
この「安全」にも関連するトピック、「ヒヤリハット」について当記事では解説します。
ヒヤリハットとは?
「ヒヤリハット」とは、重大な災害や事故に直結する一歩手前の出来事のことを指します。
業務中の思いがけない出来事に「ヒヤリ」としたり、事故寸前のミスに「ハッ」としたりする状況。危険な状況になったが事故や災害にはならなかった、というような事象の事を指します。
ヒヤリハットは事故や災害につながる要因を特定し対策する貴重な機会。リスクマネジメントの観点から多くの企業で重要視されています。
「ハインリッヒの法則」について
ハインリッヒの法則とは、アメリカ産業安全の権威ハーバート・W・ハインリッヒが1931年に提唱した理論。「1:29:300の法則」と呼ばれたりもします。
1、29、300とは事故・異常の件数を指しており、1件の重大事件の背後には29件の軽微な事故、さらにその背後には事故寸前の事象(=ヒヤリハット)が隠れている、ということをハインリッヒの法則は示しています。
また、ハインリッヒの法則では300回の無傷害事故の背後に数千の不安全行動や不安全状態があることも併せて指摘されています。
よくあるヒヤリハット事例
物流センターもまさにヒヤリハットの発生が懸念される場所の1つ。作業現場でも危険を感じる場面の例として以下が挙げられます。
- 高いところの商品を取ろうとして踏み台から転落しそうになった。
- リストを見ながら歩いていると、他の人とぶつかりそうになった。
- 足元の台車やパレットにつまづいてしまった。
- 重い商品を運ぼうとしてバランスを崩した。
- 立てかけていたパレットが倒れてきた。
こういった状況は重大な事故やケガに繋がりうるため、ヒヤリハット事例としての認識が必要です。
労災事故を起こさない工夫
労災事故が発生する要因は様々。その中でも、不安全行動・不安全状態・メンタルヘルス(心の健康)の影響によって引き起こされることが多いとされています。
従業員が安全に業務できるよう当社グループでは、安全パトロールにて5S活動の推進やヒヤリハット事例を基にしたKYT(危険予知トレーニング)の実施に力を入れています。また、不安全行動をさせないためのルール化も推進しています。