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2025/12/30

「モノが届かない未来」を避けるために。物流危機と私たちにできること

あなたの生活にも忍び寄る「物流危機」

ネットで注文した商品が届くのを楽しみに待ったこと、ありませんか?
スーパーでいつもの食材を手に取ったり、病院で必要なお薬を受け取ったり――そんな当たり前の毎日を支えているのが「物流」です。

でも今、その物流が大きな危機に直面しています。特に、日本の貨物の約9割を運んでいるトラック輸送では、ドライバー不足が深刻なのです。

今年4月から始まった「2024年問題」。ドライバーの長時間労働を是正するための法改正は働き方改革として大切ですが、その一方で、何も対策をしなければ「荷物が運べなくなる」という現実が迫っています。

目次

  1. 人手不足が続く運送業界
  2. 2030年に迫る輸送力不足
  3. 政府が進める「物流改革の3本柱」
  4. 私たちにできること
  5. まとめ

1. 人手不足が続く運送業界

物流業界、特にトラック輸送業は厳しい状況におかれています。

① 深刻な人手不足

・ トラックドライバーの求人倍率は、全職種の約2倍。

・ 運輸・倉庫業界では約67%の企業が「正社員が足りない」と感じています。

・ 人手不足が原因で倒産する企業も増え、2025年度上半期には214件と過去最多を更新しました。

「荷物を運ぶ人がいない」――そんな状況が、もう現実になりつつあるのです。

② 現場を悩ませる慣習

・ 荷物の積み下ろしを待つ「荷待ち時間」は平均3時間。改善が進んでいません。

・ ネット通販の普及で配送件数は倍増。小口配送が増え、ドライバーの負担はさらに重くなっています。

私たちが便利さを享受する裏側で、現場の人たちが長い時間を費やしていることを想像すると、胸が痛みます。

2. 2030年に迫る輸送力不足

何も対策を講じなかった場合の輸送力が大幅低下する見通し

国土交通省の試算では、2030年度には輸送能力が34%不足し、約9億トン分の荷物が運べなくなる可能性があるとされています。
「欲しいものが届かない」「必要なものが手に入らない」――そんな未来は、誰にとっても困りますよね。

3. 政府が進める「物流改革の3本柱」

政府はこの危機を乗り越えるため、「物流革新政策パッケージ」を策定し、構造改革を推進しています。

柱① 取引の是正と適正運賃の確保

■ 規制の導入
荷主や物流事業者に対し、荷待ちや荷役時間の削減、多重下請け構造の是正を目的とした規制措置が導入されました。

■ パレットの活用
荷物の積み下ろし時間を短縮するため、パレット使用の標準化が推進されています。

■ 物流Gメンの強化
荷主や元請け業者による悪質な行為を是正するため、「トラック・物流Gメン」の体制が拡充され、強力な指導・監督が行われています。

ドライバーの負担を増やしている不適切な商慣行を見直し、安心して働けるよう適正な賃金を支える仕組みを整えます。

柱② 技術で効率アップ

■ 倉庫のデジタル化
トラック受付時間を分散させるバース予約システムや、無人フォークリフトなどの自動化・機械化を積極的に導入しています。

■ モーダルシフト
一度に大量輸送が可能な鉄道や船の輸送力強化を支援し、トラック輸送からの切り替えを推進しています。

■ 未来の輸送
大型トラック2台分の荷物を一台で運べる「ダブル連結トラック」の導入を支援するとともに、高速道路における自動運転トラックの実証実験を進めています。

先進技術の活用によって物流の効率性を向上させることを目指します。

柱③ 荷主と消費者の意識改革

■ 荷主の責任
一定規模以上の荷主には、物流効率化の責任者として「CLO(Chief Logistics Officer)」の選任が義務付けられています。

■ 再配達の削減
宅配貨物の再配達率は、2024年10月時点で10.2%に達しており、これを半減(6%程度)する目標が掲げられています。その実現に向けて、宅配ロッカーの設置や「急がない配達」の普及を促進する実証事業が進められています。

物流の持続可能性を確保するためには、荷主企業だけでなく、一般消費者の協力も欠かせません。

4. 私たちにできること

物流の危機は、企業や政府だけでは解決できません。消費者一人ひとりの協力も欠かせないのです。

弊社では、一部営業所に「トラックバース荷受予約システム」を導入し、ドライバーの待機時間を減らす取り組みを進めています。

そして筆者自身も、ネットで商品を注文するときには、

  • ゆとりを持った配達日時を指定する
  • 置き配を事前に依頼する

など、再配達を減らす工夫を心がけています。

「ちょっとした工夫で、物流を支える力になれる」――そう思うと、私たちの行動も少し前向きになりますよね。

5. まとめ

2030年度に予測される輸送力不足を乗り越えるためには、業界の改革と技術革新、そして消費者のちょっとした心配りが必要です。

物流は、私たちの暮らしを支える大切な仕組み。だからこそ、一緒に未来の物流を守っていきましょう。

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