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2026/9/4

フィジカルAIとは?物流現場で期待される役割と人との関わり

物流ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

ChatGPTなどの生成AIが身近になり、仕事や日常生活で、AIに相談する機会も増えてきました。

AIの活用は、文章で答えを受け取る場面から、現実の世界で機械を動かす領域にも広がっています。その一つとして注目されているのが「フィジカルAI」です。

人手不足が課題となる物流現場では、搬送や仕分け、ピッキングなど、人が担ってきた作業への活用が期待されています。

今回は、フィジカルAIの特徴とロボット技術の進歩を紹介しながら、これからの物流における人と技術の関わり方を考えます。

フィジカルAIとは、AIの判断を現実の動作につなげる技術

フィジカルAIとは、AIによる判断をロボットや機械の動作に結び付け、現実の世界で作業を行う技術です。

情報を処理して答えを出すだけでなく、その判断をもとに機械が動くところまでを含んでいます。

生成AIへの相談では、質問を入力し、文章などで回答を受け取る使い方が身近になっています。

一方、フィジカルAIでは、AIの働きがロボットや機械を通じた実際の動作に及びます。物流の仕事でいえば、荷物を運ぶ、必要な商品を取り出すといった作業が、その活用先として考えられます。

日本でも、フィジカルAIへの応用を見据えた国産AIの開発支援が進められています。実際にロボットを働かせるための基盤となるAIの開発が進むことで、物流を含むさまざまな現場での利用が期待されています。NEDOの開発事業

ハーフマラソンに見る、ロボット技術の進歩

ロボットが現実の環境で動く技術は、どこまで進んでいるのでしょうか。

その変化を感じさせる出来事の一つが、中国・北京で開催された人型ロボットのハーフマラソン大会です。

2026年4月の大会では、優勝したロボットが約21キロを50分26秒で走り切りました。

当時の人間の男子ハーフマラソン世界記録より、6分以上短いタイムです。人間の陸上競技の世界記録を更新したという意味ではありませんが、走行能力の向上を印象付ける結果となりました。北京市の大会結果世界陸連の当時の記録発表

前年の大会では、スタート直後に転倒したり、走行中に柵へぶつかったりするロボットも見られました。安定して走り続けることに課題があった段階から、わずか1年でこうした記録が生まれたことに、ロボット技術の進歩の速さがうかがえます。2025年大会の現地報道

もちろん、速く走れることと、物流現場の作業をこなせることは同じではありません。搬送や仕分け、ピッキングには、それぞれの仕事に合った動作が求められます。大会の記録はロボットの進歩を知るきっかけとして捉えながら、物流ではどのような作業を任せられるのかに目を向けていく必要があります。

物流現場で期待される、搬送・仕分け・ピッキングへの活用

AIやロボットの活用は、生産分野だけでなく物流現場でも進んでいます。

人手不足が課題となるなか、これまで人が担ってきた作業の一部をロボットが受け持つことは、現場の負担を減らす選択肢の一つです。

物流には、荷物を「運ぶ」「分ける」「取り出す」といったさまざまな作業があります。フィジカルAIの発展によって期待されるのは、こうした実際の作業を支えるロボットの役割が、さらに広がっていくことです。

搬送:荷物を運ぶ作業を支える

搬送とは、荷物を必要な場所へ運ぶ作業です。倉庫のなかで物を動かすことは、物流を進めるうえで欠かせません。人が荷物を運ぶ仕事の一部をロボットが担うことで、作業者の負担を軽くすることが期待されます。

荷物が目的の場所まで運ばれれば、そこで次の作業に取りかかれます。搬送への活用を考える際には、運ぶ動作だけでなく、その前後に人が行う仕事とのつながりも見ていきたいところです。

仕分け:荷物を分ける作業を支える

仕分けは、決められた条件に沿って荷物を分類する作業です。人が荷物を扱いながら行ってきた作業の一部を、ロボットが担うことが期待されています。

フィジカルAIの活用では、荷物をどのように分けるかという判断と、実際に荷物を動かす動作が結び付きます。情報の処理から現場での作業へとAIの働きが広がることを、イメージしやすい業務の一つです。

ピッキング:必要な商品を取り出す作業を支える

ピッキングは、保管されている商品のなかから、必要な商品を取り出す作業です。物流現場では、人が担う作業の一部をロボットに任せる対象として、このピッキングにも期待が寄せられています。

商品についての情報を扱うだけでなく、実際に商品を取り出す動作まで担うところに、現場作業としての特徴があります。どの部分をロボットに任せ、どの部分を人が担うかを考えることで、人と技術の役割分担も具体的になっていきます。

ロボットの活用を、人が力を発揮できる環境づくりへ

こうした技術を物流に取り入れる目的は、働く人の負担を減らし、人にしかできない仕事に集中できる環境をつくることです。

搬送や仕分け、ピッキングの一部を任せられるようになれば、人がすべての作業を抱え込む必要はなくなります。

その際に考えたいのは、ロボットにどれだけの作業を任せるかだけでなく、負担が軽くなった分、人がどのような仕事に力を注ぐかということです。

現場の状況を踏まえた判断や、仕事の進め方をより良くする工夫に、人の経験を生かしていくことができます。

作業の一部をロボットが担うようになっても、現場全体をどう動かすかを考える役割は残ります。人が行う仕事とロボットが行う仕事を分けて終わりにせず、両者がつながる形で作業を組み立てる視点が求められます。

AIが進化する時代こそ、人と人との信頼関係を

どれほどAIやロボットが進化しても、物流の現場を支える人同士の関係は欠かせません。

作業を任せる範囲が変われば、一緒に働く人の役割や、互いに伝えておきたいことも変わります。だからこそ、現場の状況を伝え合い、認識をそろえるコミュニケーションを大切にしたいと考えています。

現場で働く人の判断や工夫は、一人のなかにとどまるものではありません。

7気付いたことを周囲と共有し、協力して仕事を進めることで、日々の物流が支えられています。技術の活用が広がっても、こうした積み重ねによって生まれる信頼関係の価値は変わりません。

私たちは、フィジカルAIをはじめとする新しい技術の可能性に目を向けながら、働く人の負担を減らし、人の力が生きる現場づくりを考えていきます。人と人とのつながりを大切にしながら、これからの物流を支えていきたいと考えています。

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