【睡眠不足】が続くことの健康リスク・影響を解説|健康な身体で仕事に向き合う為に③
従業員の健康を重要な経営指標と捉え、健康増進に積極的に取り組む企業経営のスタイルである『健康経営』。
弊社も従業員のみなさんの健康を重要な指標として日々経営しています。
物流ブログでは【健康な身体で仕事に向き合う】をテーマにこれまでも記事を書いたことがありますが、今回は”睡眠”について皆さんと情報を共有できればなと思います。
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従業員の健康問題で生じるコストとは?
ではまず、企業目線で従業員の健康問題にはどのようなコストがあるのか考えてみましょう。
医療費などの単純なコスト
これは皆さんも真っ先に思いつくかもしれません。通院の際には医療費など、その料金のコストがかかります。
労働生産性に係る損失コスト
企業にとって従業員の健康問題に関連するコストとは医療費だけではなく、労働生産性に係わる損失としてアブセンティーズム(病欠)やプレゼンティーズム(何らかの健康問題によって業務効率が落ちている状況)による損失もコストと考えられます。
上記の、特に労働生産性に係る損失コストの面を踏まえて、企業は健康施策について検討することが重要と言われています。
睡眠不足が引き起こすパフォーマンスの低下|日本の平均睡眠時間
次に本題の【睡眠】について。昨今、睡眠と経営が密接な関係にあると言われています。
睡眠は脳のメンテナンス。正しくメンテナンスが出来ないとマキシマムなパフォーマンスが出せません。睡眠不足によってその人が本来持っている作業が何割か削減されてしまっていたり、検査(PVT検査)の結果、集中力にもばらつきが出ることが報告されています。
分かりやすい例にすると、「20時間連続で起きている人」は「ビール中瓶3本飲んだ時」と同程度のパフォーマンス能力しか出せない、とされています。
平均睡眠時間の個人アンケートの結果、OEC加盟国の33か国の中で日本は平均7時間22分と最下位。さらに都市部の方は平均から1時間程度短いこともあるそうです。
まとめ|睡眠不足による経営への損失コスト
ここまで紹介したことで
- 従業員の健康問題は医療費だけでない損失コストも生んでいる
- 睡眠不足によって脳はマキシマムなパフォーマンスが出せず、経営にも影響がある
上の2つのポイントが伝わったと思います。
これらの情報を組み合わせて湧き上がる疑問、【睡眠不足による経営への損失コスト】はどれくらいか?これは実際に調査されています。この結果を最後に共有したいと思います。
項目 | 損失コスト(円) リスク有り | 損失コスト(円) リスクなし | リスク有無 差分金額(円) |
---|---|---|---|
血圧 | 851,059 | 780,381 | 70,678 |
血中脂質 | 805,778 | 794,198 | 11,580 |
肥満 | 818,026 | 786,920 | 31,106 |
アルコール摂取 | 1,079,437 | 817,359 | 262,078 |
運動習慣 | 807,645 | 772,795 | 34,850 |
睡眠休養 | 1,025,418 | 696,774 | 328,644 |
経済産業省『企業の「健康経営」ガイドブック~連携・協働による健康づくりのススメ~(改訂第1版)』(2016年)を基に作成
リスク有無による差分金額(円)は睡眠休養の項目が最も高くなっています。
またこの他にも、実質GDPを元に算出した2025年の日本の不眠による経済損失は約18兆円というデータも調べると発見でき、これは日本が最下位でした。
生産性が高くてリッチな国ほど睡眠時間が長い。国単位で考えると少し規模が大きく感じてしまうので、まずは私たち一人ひとり、従業員一人一人が質の高い睡眠の重要性を感じることで、その重要性をこの先広めていきましょう。